その後も私を頼ってくれました♡
その後も何回もコウスケさんはたくさん私を頼ってくれました。
コウスケさんに勧められてジュエリーを買ったり、健康サプリの定期購入を始めたり、時には現金を渡したり。
どんどん金銭的にも、それに心にも余裕がなくなりました。
デートで再び勧誘されました
今日のデートも、コウスケさんがセレクトしたおしゃれなカフェです。
「最初に入ってくれた保険なんだけど、もう一つ上のランクに上げてほしいんだ!」
最初の頃はわくわくする気持ちでコウスケさんの話を聞いていましたが、いまはもう義務感で聞いています。
「今度こそアミちゃんにはもっとお金が入るようになるし!心配しなくても大丈夫だよ!僕がサポートするからね!」
どうしよう……もうコウスケさんを支えてあげられないかも……お金もない……でももしここで止めてコウスケさんに捨てられたりしたらどうしよう……。
私が好きだから……頼ってくれるんだよね?
返事に迷っていると、コウスケさんが立ち上がりました。
「あっ、ちょっとトイレ!」
「あっ、ハイ…」
どうしよう……。
ピコッ!
「ん?」
テーブルを見ると、コウスケさんのスマホにメッセージが届いていました。
「コウスケさん、スマホ忘れてる」
ダメだとわかりつつも、ついコウスケさんと誰かのやり取りの記録を覗き見てしまいました。
>>アミちゃんどう?次も金取れそう?
>>いいカモだよw次も保険の契約すすめて金取れるよ
血の気がサーッと引いて、心がいっきに重くなりました。
「お待たせー!どう?次の契約……」
バシャ!
私はテーブルに置いてあった水を思いきりコウスケさんにかけました。
「なにするんだ!」
「二度と顔を見せるな!」
びしょ濡れのコウスケさん。まさかの私の態度にとても驚いているようです。
「人の恋心をもてあそぶなんて……人として最低ですよ」
私はすぐにその場から立ち去りました。
あの日以降、コウスケさんとは会っていません。もちろん連絡も取っていません。
あとでわかたのですが、私が引っかかったのは「デート商法」というものらしいです。
マッチングアプリだけでなく、婚活パーティーで出会った男性に宝石や不動産など高額なものを買わされた事例もあるのだとか。
異性の恋愛感情を利用して、悪事を働くなんて本当に許せません。
あんな最低男に騙されて後悔しましたが、勉強代だと思うことにしました。
はあ……次はもっとイイ男と出会えるよう慎重になります。